2025年5月17日(土)〜19日(月)
◎加藤 学「倚子展 Ⅳ」


会期中、木のお匙作り、音楽ライブなど盛りだくさん!

【会期】 2025年5月17日(土)〜19日(月)
      12:00〜19:00
【会期中のイベント】
      「木のお匙工削ワークショップ」(2,000円+材料費100〜300円)
      17日13時〜17時
      18日12時〜15時
      19日13時〜17時

      「靴屋のヒロミーツLive」(無料)
      18日16時〜


母の父は洋家具の職人だった。特に彫刻の名手だったと聞く。韓国から日本に渡来し、戦前から東京に工場を構えていた。どこから来てどうして東京に工場を構える事になったのかはわからない。戦争が終わり焼け野原になった東京は家具の需要が天井知らず。造くるとすぐに、百貨店の番頭が来て持っていった。田舎のなかった祖父は軽井沢に土地を買い、家を建てた。当時は畑の中の一軒屋だったという。別荘というよりは軽井沢の家(平屋だったので小屋?)。いわゆる別荘地エリアではないので、今では地元住民の家が周りを囲んでいる。40年ほど前に2階屋に建て替えたが、今でも家具は祖父や叔父の作ったものが沢山残っている。食堂の椅子、食器棚、薬戸棚、祖母の化粧台、洋服ダンス。特に廊下に置いてある椅子は試作品が多かった。階段を上がりきった廊下の突当たりは、カーテンが下がっている。開けると1Mくらい先のところに奥の壁。壁まで床から45センチの高さでみっちりクッションが並んでいて小上がりの様になっている。クッションの厚さは25センチと分厚い。下を覗くと細い鉄の棒がクッションをささえている。鉄の脚の一本にレバーハンドルが付いていて、動かすと少しだけクッションが動く。溶接部が取れて、レバーの力が伝わらなくなってしまっている。壊れていなければクッションが立ち上がり、背もたれになる仕掛けだ。そうこれは椅子なのだ。元々は背もたれを倒せばフルフラットになる椅子が向き合っていた。私が物心ついた頃にはもう背もたれが起きることはなかった。これも試作品のひとつだっのであろう。「もしあの棒が繋がって、椅子になったらどんな座り心地なんだろう?」寝っ転がって、先っぽにプラスチックの黄色い球がついたレバーをガチャガチャ動かしながら何度も考えていた。子供の頃の懐かしい夏の思い出だ。
(2025年5月 加藤 学)


【開催場所】DEN + (デンタス)
    渋谷区恵比寿南3-1-14-1F
【お問い合わせ】メール dentasu8✳︎gmail.com へ(<✳︎>を<@>に変更してご発信ください)
お名前、電話番号を明記の上、ご連絡をお願いします(担当:奥野)


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住所:渋谷区恵比寿南3-1-14-1F (03-3713-2840 当日)
*住宅街の路地に面しています。
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